ニューヨーク発、ブルックリンクラのクラフトSAKEついに日本上陸

2025年3月某日、東京で行われたブルックリンクラ(Brooklyn Kura)の日本初上陸発表イベントに参加してきました。このイベントは、ニューヨーク生まれのクラフトサケブランド「ブルックリンクラ」が日本市場に進出する瞬間を目撃する特別な機会でした。会場には多くの報道関係者が集まり、熱気と期待が入り混じった雰囲気の中で行われました。

ブルックリンクラとは? NY発のSAKE革命

近年、海外でも日本酒の醸造が広がっています。その代表的な存在が、ニューヨーク・ブルックリンに拠点を構える「ブルックリン・クラ(Brooklyn Kura)」です。2016年に設立されたこの酒蔵は、アメリカ産の酒米とニューヨーク北部の清らかな水を使い、伝統的な製法を取り入れながらも革新的なSAKEを造り出しています。

ブルックリン・クラのSAKEは、フルーティーで芳醇な香りと滑らかな口当たりが特徴です。地元のレストランやバーとも積極的にコラボレーションし、ニューヨークの食文化とSAKEの融合を進めています。また、2021年からは新潟県の酒蔵「八海山」を展開する八海醸造と業務資本提携し、醸造技術の指導を受けることで、さらなる品質向上を図っています。アメリカ発のクラフトサケとして、新たな可能性を切り拓く存在として注目を集めています。

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ブライアン氏のメッセージ —「SAKEを世界の飲み物に」

「なぜアメリカの人はSAKEの奥深さを知らないのか」
「SAKEを家庭で、レストランで日常的に楽しんでほしい」
「SAKEのファンになってもらいたい」

動画提供:Hakkaisan 八海醸造

これは、ブルックリンクラ創業者兼社長のブライアン・ポーレン氏が熱く語ったメッセージです。彼の言葉には、SAKEへの深い敬意と、それを世界に広めたいという強い情熱が感じられました。

当日、ブライアン氏に個別にお話を伺う機会がありました。特に気になっていたのは、昨年渋谷で開催された「SAKE PARK」への参加の反響についてです。私自身もスタッフとして参加し、多くの知人も足を運んでいたイベントでした。さまざまな意見が飛び交ったイベントでしたが、当事者である彼らはどのように受け止めたのでしょうか。

「SAKE PARKではとてもポジティブな反応をたくさんいただきました」とブライアン氏。もちろん厳しい意見も耳にしたそうですが、「日本で自分たちが造ったお酒を飲んでくれた人がいる。それが一つの手応え、自信にもなりました」と前向きに捉えていました。この姿勢が、今回の日本上陸への大きな原動力になったのかもしれません。

日本初上陸の3種のSAKE — アメリカの風土が育んだ新たな味わい

今回日本で新しく発売となるブルックリンクラのクラフトサケは3種類です。ブライアン氏によれば「すでにニューヨークで販売中のクラフトサケの中から、特に日本のマーケットに合うものを厳選した」とのこと。同氏は「これらはブルックリンクラを代表する3種類」と胸を張り、期待が高まります。

CATSKILLS(キャッツキル)— 繊細さと奥行きが織りなす一杯

3種類の中で最も繊細な味わいを持つのがキャッツキル(CATSKILLS)です。ふんわりとした優しい香りと、ゆったりと残る余韻が特徴的でした。ニューヨーク北部にある蔵の仕込み水の水源地「キャッツキル山地」の名を冠したこのお酒は、現地素材での仕込みにこだわったブルックリンクラをまさに代表する1本と言えるでしょう。

試食会では「柑橘とカッテージチーズのスプリングサラダ」とのペアリングが提案されました。華やかな見た目の料理と対照的に、キャッツキルの繊細さを損なわない上品な組み合わせで、互いの魅力を引き立て合っていました。

商品情報
商品名:CATSKILLS(キャッツキル)
品目:清酒
原材料名:米(米国産)
     米こうじ(米国産米)
精米歩合:50%
アルコール分:16度
内容量:750ml
価格:4,950円(税込)

GRAND PRAIRIE(グランドプレーリー)— 山田錦が奏でる新大陸の響き

キャッツキルと対照的に、さわやかな甘さが印象的だったのがグランドプレーリー(GRAND PRAIRIE)です。「グランドプレーリー」はアメリカで初めて山田錦が栽培された土地の名に由来しています。このお酒も、アーカンソー州(グランドプレーリーのある州)産の山田錦100%で醸造されており、日本の伝統と米国の土壌が融合した逸品です。

甘さが特徴的なグランドプレーリーには「ケイジャンスパイスグリルチキンとグリーンアスパラガス」が合わせられました。スパイスの効いたチキンと、フルーティーな甘みのあるSAKEの組み合わせは、新しい食文化の可能性を感じさせる素晴らしいマリアージュでした。

商品情報
商品名:GRAND PRAIRIE(グランドプレーリー)
品目:清酒
原材料名:米(米国産)
     米こうじ(米国産米)
精米歩合:60%
アルコール分:16度
内容量:750ml
価格:4,950円(税込)

OCCIDENTAL(オクシデンタル)— 伝統を超えた革新的クラフト

「日本酒ではない、クラフトサケ。海外発のお酒」という自由な発想を最も感じさせたのが、オクシデンタル(OCCIDENTAL)です。伝統的なSAKEの製法で造った後、短時間のドライホップを施すという革新的な製法で生まれたこのお酒は、ロゼワインのようなうっすらと色づくピンク色と、口に入れた瞬間に広がるホップの香りが特徴的でした。

ワインのような、ビールを感じさせるようなオクシデンタルには「ブルーチーズのピザ、はちみつがけ」が合わせられました。「果たして私はSAKEのペアリングを楽しんでいるのか…」と思わず問いかけたくなるほど斬新なマリアージュでしたが、これこそがブルックリンクラが目指す「境界を超えたSAKE体験」なのかもしれません。

商品情報
商品名:OCCIDENTAL(オクシデンタル)
品目:リキュール
原材料名:米(米国産)
     米こうじ(米国産米)
     ホップ、赤ブドウ濃縮果汁
精米歩合:50%
アルコール分:14度
内容量:750ml
価格:4,950円(税込)

イベントフォトギャラリー

まとめ — 日米を繋ぐSAKEの新時代の幕開け

ブルックリンクラ(Brooklyn Kura)の日本初上陸発表イベントは、単なる商品紹介にとどまらず、SAKEの未来を切り開く重要な瞬間でした。

今後、私たちは以下のような展開に注目していく必要があるでしょう:

  • ニューヨーク発のSAKEが、日本国内外でどのように受け入れられていくのか
  • 海外発信のSAKEが「日本酒」という概念にどのような化学変化をもたらすのか
  • 私たち日本酒ファンがこの新しい潮流をどのように受け止め、楽しんでいくのか

「Made in Brooklyn」のSAKEが「日本酒の本場」日本に上陸するという逆輸入の形は、日本酒のグローバル化が次のステージに入ったことを象徴しています。ぜひ皆さんも、この革新的なSAKEを味わい、新しい日本酒文化の一端を体験してみてください。

ブライアン、ティモシーと

ブルックリンクラの3種のSAKEは、全国の酒販店や八海山オンラインショップで順次販売開始しています。また、都内の一部レストランでも提供されるとのことですので、お見かけの際はぜひ試してみてください。

八海山 × BROOKLYN KURA

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